ヴァースにて
【2014.7.10】
器セカルと器カイトの話です。
本番はないけどエロを含むので注意。
『器カイトに蹴散らされ、俺に落ちない女がいるのかと驚き、嘲笑う器セカル。「俺を好きになったら負けだ」とゲームを持ちかける。最初は相手にしないが、時間をかけるにつれお互いの本心を知っていく。ただゲームの存在が、どちらからも歩み寄れない枷になろうとは。(2014.6.12ログ)』
これが器話の根幹になっています。
今回の話は、出会ってから少しずつお互いを知り始めた時期です。
既にカイトはセカルの毒牙に何度か掛かっていて、性格や行動も把握している頃。
----------
「ったく…何体やりゃいいんだ?」
長い黒髪を揺らしながら、ウェディの青年がぼやいた。
無法者のベストから覗く、青い肌には汗が浮かぶ。
グレーの腰巻きの修練着ズボンは、少し泥で汚れていた。
その青年…セカルが、今倒した巨体、ボストロールの腕を鬱陶しそうに蹴飛ばす。
私とセカルは、ウェナ大陸のヴァース大山林に来ていた。
目的は、この巨大な魔物のドロップアイテム。
「ホントに指輪なんて持ってんのかよ?こんなにゴツイ指でさあ」
セカルは動かなくなったボストロールの指を持ち上げ、目的の品がないことを確認するとうんざりした顔で手を離した。
もう毛皮なんていらねーとぼやきながら、その場にドカッと座る。
陽は西に傾き、辺りはオレンジ色に染まり始めていた。
「今日は止めにしよう。暗くなってからでは野営の準備が出来ん」
「あいあい。腹減った~」
セカルはやれやれと腰を上げ大きく伸びをした。
太い木の根元に鞄を降ろし、腰に携えていた王家のナイフを外してその場に置く。
今のこいつは盗賊だ。
器用な手先に合っているのか、旅をするときのセカルは盗賊の職に就くことが多い。
エテーネのセカルと違い、魔法が苦手、という理由もあるが。
私はというと、今日は旅芸人である。
赤のバトマスアーマーにチェイサーレザーを穿き、夜叉の棍を背負っている。
盗むセカルの補助。
メイン職は戦士であるが、旅先では回復を兼ねられる職に就くことが多い。
「さえずりのみつって、料理に使えるのか…?」
先ほど盗んだ手持ちを見ながら、セカルが調理の支度をしていた。
境遇からやらざるを得なかったであろうが、お互いにある程度料理が出来るのはありがたかった。
怪我や病気など、相手が良くない状態の時にもフォローが出来る。
「あまり変なものを入れるなよ」
私の言葉を聞くと、セカルは手を止めて顔を上げた。
「愛情はたっぷり注いどいてやるよ」
そう言ってニヤリと笑いかけてきたので、私は反射的に目を逸らした。
照れちゃって可愛い~と茶化す声が聞こえたが、いつものことだ。
私は無視して歩き出した。
「水を汲んでくる」
「あー滝あったもんな。つかあちぃ…後で水浴びでもすっか?」
「…覗くつもりだろう」
「ばーか」
私が振り返って目が合うと、先ほどよりさらに目を細めたニタニタ笑いが返ってきた。
「一緒に入るに決まってんだろ?」
----------
辺りはすっかり暗闇に包まれ、ぼんやりとした月明かりが照らしている。
私は夕食を済ませて後片付けをし、荷物をまとめていた。
「あちー…くっそベタベタする」
ベストをパタパタと扇ぎ、セカルがうなだれた。
「夜だというのに、あまり気温が下がらんな」
そう何気なく会話しながらも、背後に気配を感じた。
振り返るとすぐ傍にセカルが迫ってきていた。
「なー水浴びしねえ?」
セカルは、デビルワイン色をした私の短い後ろ髪を摘まんで遊んでくる。
「だからいいと言っている」
水浴びをしたところで、どうなるか…想像に易い。
こいつは時間も場所も選ばないのだから。
「さっきせいすいも撒いてきたからさー、魔物も寄ってこねえよ」
全く…そういうところは本当に手回しの早い奴。
「遠慮する。お前は行って来るといい」
「一人で行けってのかよ。つれねーなぁ」
セカルはそう言いながら、バッと左手で私の尻尾を掴んだ。
「ひゃ?!」
「お、可愛い声」
奴はニヤニヤと笑いながら、隙の出来た私の体を押し倒した。
押しのけようにも、尻尾をこすられ力が入らない。
「んあっ!やめ…っ」
力の入らない抵抗など気にも留めず、左手で尻尾を弄びながら、右手は慣れた手つきでアーマーを外していく。
布部分だけになった胸をふにふにと揉み始めた。
「ここで一発ヤるか?」
胸の頂点を弾かれ、体が跳ねた。
暗闇でも表情の分かる至近距離で、意地の悪い笑みを浮かべられる。
「や……っ汚れてる、から…」
悶えながら発した私の言葉を聞くとさらに楽しそうな顔をし、耳元に口を寄せ囁いた。
「じゃあ綺麗にしないとな?」
ひょいっと私の体を持ち上げ、横抱きにする。
上機嫌に歩き出したこいつの行き先は…分かっている。
----------
「んんっ」
滝が顔にかかり、あまり目を開くことが出来ないが、口を重ねられては解放され、また塞がれてを繰り返す。
水辺に連れてこられるや否や手際よく服を剥ぎ取られ、小川へと入れられた。
左手でくびれをなぞられ、尻を揉まれる。
背中に右手を回されてキツく抱かれ、胸は相手の硬い胸板に押し付けられる格好になる。
滝壺近くに立ち、冷たい水が降りかかるが、触れられた所からは局部的に熱を感じる。
「っはあ…」
久方振りに顔を離された。
滝の水がかかるので、落ち着いて息も出来ない。
ゆっくりと目を開くと、目の前には長い黒髪をしっとりと濡らしたセカルがいた。
濡れた両脇の髪が鎖骨に張り付き、月明かりに照らされて妙な色気を感じる。
金色の眼は満足そうに私を見据えていた。
「気持ちいいだろ?」
どちらの意味だというのだ。
体が綺麗になったと言うのか、あるいはこの行動…。
セカルは私の思案を読んだかのようにニヤリと笑いかけ、唇を啄ばんだ。
「そろそろいいか」
尻を揉んでいた手が下へと下がる。
足の間に指を入れられ体を仰け反らすと、逃がすまいと体を抱く力を強められた。
「欲しいんだろ?」
耳元で静かに甘い声を出され、水に濡れた耳まで熱を帯びる。
骨ばった長い指は、私を攻め立てる。
「言えよ」
股の間に足を入れられ擦られる。
目には涙が浮かんでくる。
それを見て、またこいつは笑う。
「カイト、可愛い」
不意に名前を呼ばれ、体がビクつく。
また口を塞がれた。
本当に…狡い男。
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器セカルと器カイトの話です。
本番はないけどエロを含むので注意。
『器カイトに蹴散らされ、俺に落ちない女がいるのかと驚き、嘲笑う器セカル。「俺を好きになったら負けだ」とゲームを持ちかける。最初は相手にしないが、時間をかけるにつれお互いの本心を知っていく。ただゲームの存在が、どちらからも歩み寄れない枷になろうとは。(2014.6.12ログ)』
これが器話の根幹になっています。
今回の話は、出会ってから少しずつお互いを知り始めた時期です。
既にカイトはセカルの毒牙に何度か掛かっていて、性格や行動も把握している頃。
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「ったく…何体やりゃいいんだ?」
長い黒髪を揺らしながら、ウェディの青年がぼやいた。
無法者のベストから覗く、青い肌には汗が浮かぶ。
グレーの腰巻きの修練着ズボンは、少し泥で汚れていた。
その青年…セカルが、今倒した巨体、ボストロールの腕を鬱陶しそうに蹴飛ばす。
私とセカルは、ウェナ大陸のヴァース大山林に来ていた。
目的は、この巨大な魔物のドロップアイテム。
「ホントに指輪なんて持ってんのかよ?こんなにゴツイ指でさあ」
セカルは動かなくなったボストロールの指を持ち上げ、目的の品がないことを確認するとうんざりした顔で手を離した。
もう毛皮なんていらねーとぼやきながら、その場にドカッと座る。
陽は西に傾き、辺りはオレンジ色に染まり始めていた。
「今日は止めにしよう。暗くなってからでは野営の準備が出来ん」
「あいあい。腹減った~」
セカルはやれやれと腰を上げ大きく伸びをした。
太い木の根元に鞄を降ろし、腰に携えていた王家のナイフを外してその場に置く。
今のこいつは盗賊だ。
器用な手先に合っているのか、旅をするときのセカルは盗賊の職に就くことが多い。
エテーネのセカルと違い、魔法が苦手、という理由もあるが。
私はというと、今日は旅芸人である。
赤のバトマスアーマーにチェイサーレザーを穿き、夜叉の棍を背負っている。
盗むセカルの補助。
メイン職は戦士であるが、旅先では回復を兼ねられる職に就くことが多い。
「さえずりのみつって、料理に使えるのか…?」
先ほど盗んだ手持ちを見ながら、セカルが調理の支度をしていた。
境遇からやらざるを得なかったであろうが、お互いにある程度料理が出来るのはありがたかった。
怪我や病気など、相手が良くない状態の時にもフォローが出来る。
「あまり変なものを入れるなよ」
私の言葉を聞くと、セカルは手を止めて顔を上げた。
「愛情はたっぷり注いどいてやるよ」
そう言ってニヤリと笑いかけてきたので、私は反射的に目を逸らした。
照れちゃって可愛い~と茶化す声が聞こえたが、いつものことだ。
私は無視して歩き出した。
「水を汲んでくる」
「あー滝あったもんな。つかあちぃ…後で水浴びでもすっか?」
「…覗くつもりだろう」
「ばーか」
私が振り返って目が合うと、先ほどよりさらに目を細めたニタニタ笑いが返ってきた。
「一緒に入るに決まってんだろ?」
----------
辺りはすっかり暗闇に包まれ、ぼんやりとした月明かりが照らしている。
私は夕食を済ませて後片付けをし、荷物をまとめていた。
「あちー…くっそベタベタする」
ベストをパタパタと扇ぎ、セカルがうなだれた。
「夜だというのに、あまり気温が下がらんな」
そう何気なく会話しながらも、背後に気配を感じた。
振り返るとすぐ傍にセカルが迫ってきていた。
「なー水浴びしねえ?」
セカルは、デビルワイン色をした私の短い後ろ髪を摘まんで遊んでくる。
「だからいいと言っている」
水浴びをしたところで、どうなるか…想像に易い。
こいつは時間も場所も選ばないのだから。
「さっきせいすいも撒いてきたからさー、魔物も寄ってこねえよ」
全く…そういうところは本当に手回しの早い奴。
「遠慮する。お前は行って来るといい」
「一人で行けってのかよ。つれねーなぁ」
セカルはそう言いながら、バッと左手で私の尻尾を掴んだ。
「ひゃ?!」
「お、可愛い声」
奴はニヤニヤと笑いながら、隙の出来た私の体を押し倒した。
押しのけようにも、尻尾をこすられ力が入らない。
「んあっ!やめ…っ」
力の入らない抵抗など気にも留めず、左手で尻尾を弄びながら、右手は慣れた手つきでアーマーを外していく。
布部分だけになった胸をふにふにと揉み始めた。
「ここで一発ヤるか?」
胸の頂点を弾かれ、体が跳ねた。
暗闇でも表情の分かる至近距離で、意地の悪い笑みを浮かべられる。
「や……っ汚れてる、から…」
悶えながら発した私の言葉を聞くとさらに楽しそうな顔をし、耳元に口を寄せ囁いた。
「じゃあ綺麗にしないとな?」
ひょいっと私の体を持ち上げ、横抱きにする。
上機嫌に歩き出したこいつの行き先は…分かっている。
----------
「んんっ」
滝が顔にかかり、あまり目を開くことが出来ないが、口を重ねられては解放され、また塞がれてを繰り返す。
水辺に連れてこられるや否や手際よく服を剥ぎ取られ、小川へと入れられた。
左手でくびれをなぞられ、尻を揉まれる。
背中に右手を回されてキツく抱かれ、胸は相手の硬い胸板に押し付けられる格好になる。
滝壺近くに立ち、冷たい水が降りかかるが、触れられた所からは局部的に熱を感じる。
「っはあ…」
久方振りに顔を離された。
滝の水がかかるので、落ち着いて息も出来ない。
ゆっくりと目を開くと、目の前には長い黒髪をしっとりと濡らしたセカルがいた。
濡れた両脇の髪が鎖骨に張り付き、月明かりに照らされて妙な色気を感じる。
金色の眼は満足そうに私を見据えていた。
「気持ちいいだろ?」
どちらの意味だというのだ。
体が綺麗になったと言うのか、あるいはこの行動…。
セカルは私の思案を読んだかのようにニヤリと笑いかけ、唇を啄ばんだ。
「そろそろいいか」
尻を揉んでいた手が下へと下がる。
足の間に指を入れられ体を仰け反らすと、逃がすまいと体を抱く力を強められた。
「欲しいんだろ?」
耳元で静かに甘い声を出され、水に濡れた耳まで熱を帯びる。
骨ばった長い指は、私を攻め立てる。
「言えよ」
股の間に足を入れられ擦られる。
目には涙が浮かんでくる。
それを見て、またこいつは笑う。
「カイト、可愛い」
不意に名前を呼ばれ、体がビクつく。
また口を塞がれた。
本当に…狡い男。
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