リソルをデコる話
【2018.8.15】
リソルの××をデコる話。
学園9話のネタバレを含みます。
9話クリア後の、クラウンのあの台詞から派生させた話です。
フウキの6人の日常会話。ゆるいギャグ。
主人公は出てきません。
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「今度うっかり魔族化したら、2本のツノをかわいくデコってやるんだから~!」
そんな台詞が、フウキの対策室に響いた記憶も新しい頃。
学園内では、クリスマスの飾りがそこかしこに煌めいている。
今日も今日とて対策室では、リソルがタヌキ発言をして、クラウンを怒らせていた。
「も~、本当に魔族のツノ、デコっちゃうよ!」
「前からそんなこと言ってるけどさ、そうそう魔族化する機会はないし?まあ、好きにしたら?」
リソルはお得意の肩をすくめる仕草をして、クラウンを煽るように見た。
「言ったね?それなら本気で考えるから!」
お返しと言わんばかりに、クラウンは眉を吊り上げて、腕組みをした。
部屋の中心で騒ぐリソルとクラウンを見て、アイゼル、ミラン、フランジュが何事かと寄ってきた。
(ラピスは座ったままだった。)
そんな流れで、リソルのツノをデコる話し合いがスタートしたのだった。
「デコるっていうと、そこのクリスマス飾りみたいな光るボールとかか?」
クリスマスツリーを指差して、アイゼルが提案する。
「いや…それは方向性が違う気がします」
ミランが少し言いにくそうに指摘した。
黒いブラッディスーツに光るクリスマス飾り。
派手だ。いや、そういう問題でもない。
「ねえ、おバカ会長は、人のことをツリーか何かだと思ってるわけ?じんめんじゅでも、そんなピカピカした飾りしないよ」
リソルが冷たい目でアイゼルを睨んだ。
流石に周囲にも却下され、アイゼルは悲しげに肩を落としていた。
じんめんツリーの存在を教えて励ましたい。
「うーん、やっぱりリボンがいいかな?」
クラウンが悩みながら呟くと、
「リボンなら、私のものを使いますか?きっと可愛くなると思います!」
フランジュがにっこりと答えた。
フランジュに他意はない。純粋な天然さが眩しい。
「それなら、ラピスの髪留めもよさそうですね。ツインテールもツノも2つだから、数はちょうどいいですし」
わりと真剣に意見するミラン。
「わたしの?」
テーブルに伏していたラピスが顔を上げた。
と同時に、ぐー、と大きな音がした。
ラピスのおなかが盛大に鳴った音だった。
「…髪留め貸したら、お菓子くれる?」
力なく尋ねるラピスに、
「お菓子?そういえば、さっきキャンディを貰っ…」
ミランがそう答えかけると、飛びかかりそうな勢いでラピスが立ち上がった。
そこに、慌てふためいた黒い影が羽ばたいた。
「い、いかーん!こやつは先ほど、ケーキを6つ平らげたところなんじゃ!わしが止めるのを聞かなかった罰で、今は謹慎させておる。食べ物を与えてはいかーん!」
焦ったメルジオルが、ミランの頭上をパタパタと飛び回った。
「わ、分かったから、メルジオル、落ち着いて!」
メルジオルの羽が頭にバシバシと当たるので、堪らずミランが叫んだ。
「あと3個は食べれた」
そんなピンクシュガー・デビルこと、ラピスが頬をぷくっと膨らませて、再びテーブルに顔を伏した。
「なるほど…今日のラピスさんは元気がないと思っていました。何事も不完全燃焼ではいけませんね」
フランジュが納得したように頷いていた。
ミランが何か言いたげだったが、ツッコミは諦めたようだ。
「あー、もうめんどくせェな。クラウン、お前もたまに髪縛るだろ?そのゴム貸せ」
アイゼルがガシガシと頭を掻いて言うので、きょとんとしながらクラウンが髪ゴムを渡した。
「いいけど、それどうするの?」
「そうそう魔族化はしないって言ってたろ?それなら、魔族化を待つのも気の長ェ話だからな…」
アイゼルはゴムを片手に、じり…とリソルに近付いた。
怪訝そうな顔をし、リソルが後退りした。
「ちょっと、何するつもり?」
「もうさ、魔族化するの待たずに、髪デコってやるのもアリなんじゃないか?」
アイゼルはニカッと、楽しそうに笑った。
「は?ちょっと、やめ…それ以上近付いたらバカがうつる!」
「うつらねェよ!って、誰がバカだー!」
ぎゃあぎゃあとアイゼルとリソルの追いかけっこが始まったのを見て、クラウンはクスリと静かに笑った。
「まあ、今日はこのくらいで許そっかな」
窓の外では、魔族化したリソルの髪と同じ色の、真っ白な雪が降り始めていた。
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リソルの××をデコる話。
学園9話のネタバレを含みます。
9話クリア後の、クラウンのあの台詞から派生させた話です。
フウキの6人の日常会話。ゆるいギャグ。
主人公は出てきません。
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「今度うっかり魔族化したら、2本のツノをかわいくデコってやるんだから~!」
そんな台詞が、フウキの対策室に響いた記憶も新しい頃。
学園内では、クリスマスの飾りがそこかしこに煌めいている。
今日も今日とて対策室では、リソルがタヌキ発言をして、クラウンを怒らせていた。
「も~、本当に魔族のツノ、デコっちゃうよ!」
「前からそんなこと言ってるけどさ、そうそう魔族化する機会はないし?まあ、好きにしたら?」
リソルはお得意の肩をすくめる仕草をして、クラウンを煽るように見た。
「言ったね?それなら本気で考えるから!」
お返しと言わんばかりに、クラウンは眉を吊り上げて、腕組みをした。
部屋の中心で騒ぐリソルとクラウンを見て、アイゼル、ミラン、フランジュが何事かと寄ってきた。
(ラピスは座ったままだった。)
そんな流れで、リソルのツノをデコる話し合いがスタートしたのだった。
「デコるっていうと、そこのクリスマス飾りみたいな光るボールとかか?」
クリスマスツリーを指差して、アイゼルが提案する。
「いや…それは方向性が違う気がします」
ミランが少し言いにくそうに指摘した。
黒いブラッディスーツに光るクリスマス飾り。
派手だ。いや、そういう問題でもない。
「ねえ、おバカ会長は、人のことをツリーか何かだと思ってるわけ?じんめんじゅでも、そんなピカピカした飾りしないよ」
リソルが冷たい目でアイゼルを睨んだ。
流石に周囲にも却下され、アイゼルは悲しげに肩を落としていた。
じんめんツリーの存在を教えて励ましたい。
「うーん、やっぱりリボンがいいかな?」
クラウンが悩みながら呟くと、
「リボンなら、私のものを使いますか?きっと可愛くなると思います!」
フランジュがにっこりと答えた。
フランジュに他意はない。純粋な天然さが眩しい。
「それなら、ラピスの髪留めもよさそうですね。ツインテールもツノも2つだから、数はちょうどいいですし」
わりと真剣に意見するミラン。
「わたしの?」
テーブルに伏していたラピスが顔を上げた。
と同時に、ぐー、と大きな音がした。
ラピスのおなかが盛大に鳴った音だった。
「…髪留め貸したら、お菓子くれる?」
力なく尋ねるラピスに、
「お菓子?そういえば、さっきキャンディを貰っ…」
ミランがそう答えかけると、飛びかかりそうな勢いでラピスが立ち上がった。
そこに、慌てふためいた黒い影が羽ばたいた。
「い、いかーん!こやつは先ほど、ケーキを6つ平らげたところなんじゃ!わしが止めるのを聞かなかった罰で、今は謹慎させておる。食べ物を与えてはいかーん!」
焦ったメルジオルが、ミランの頭上をパタパタと飛び回った。
「わ、分かったから、メルジオル、落ち着いて!」
メルジオルの羽が頭にバシバシと当たるので、堪らずミランが叫んだ。
「あと3個は食べれた」
そんなピンクシュガー・デビルこと、ラピスが頬をぷくっと膨らませて、再びテーブルに顔を伏した。
「なるほど…今日のラピスさんは元気がないと思っていました。何事も不完全燃焼ではいけませんね」
フランジュが納得したように頷いていた。
ミランが何か言いたげだったが、ツッコミは諦めたようだ。
「あー、もうめんどくせェな。クラウン、お前もたまに髪縛るだろ?そのゴム貸せ」
アイゼルがガシガシと頭を掻いて言うので、きょとんとしながらクラウンが髪ゴムを渡した。
「いいけど、それどうするの?」
「そうそう魔族化はしないって言ってたろ?それなら、魔族化を待つのも気の長ェ話だからな…」
アイゼルはゴムを片手に、じり…とリソルに近付いた。
怪訝そうな顔をし、リソルが後退りした。
「ちょっと、何するつもり?」
「もうさ、魔族化するの待たずに、髪デコってやるのもアリなんじゃないか?」
アイゼルはニカッと、楽しそうに笑った。
「は?ちょっと、やめ…それ以上近付いたらバカがうつる!」
「うつらねェよ!って、誰がバカだー!」
ぎゃあぎゃあとアイゼルとリソルの追いかけっこが始まったのを見て、クラウンはクスリと静かに笑った。
「まあ、今日はこのくらいで許そっかな」
窓の外では、魔族化したリソルの髪と同じ色の、真っ白な雪が降り始めていた。
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