卒業式
【2022.11.13】
セカル高3、カイト高2で卒業式の話。両片想いカップルの区切りがつきます。
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(セカル視点)
卒業式が終わり、クラスで卒業証書を受け取った後、音楽室で吹奏楽部の送別会をしていた。
ワイワイと盛り上がる部屋の中で、スマホを手に取る。
通知を見てみるが、特に着信もメールもない。
まあ、今の時間は剣道部の連中と盛り上がってるんじゃねーかな…。
鳴らないスマホをじっと見ていると、背後から声が掛かった。
「早水先輩!」
振り向くと、後輩の女子が3人並んでいた。
何だ?と周囲にいた部員達がこちらを見る。
「わたしたちずっと、早水先輩のことが好きでした!」
そう勢いよく言われて、何がなんだか分からずたじろいだ。
「えっと…?ありがとう?」
目をパチクリして答えると、1人が噴き出した。
「先輩、全然本気にしてくれないじゃないですか!」
「この反応に泣かされた女子が何人いることか」
「早水先輩ってしっかりしてそうに見えて、そういう所ありますよねー」
「え?」
口々に言われて、周囲にいた同級生達も笑い出した。
「そりゃセカル、1人の女子しか見てないからな!」
男子の友達に笑い飛ばされた。
「分かりやすかったですよね」
「あれだけ露骨だと、告白したい女子も諦め付くよな」
「ってか、何で付き合ってないの?」
あちこちから声をかけられ、反応出来ない。
何だ?何なんだこの状況は?
「先輩には、心に決めた人がいるんですよね?」
最初に話しかけてきた女子に質問される。
視線が集まるのを感じる。
言葉が出ない、答えに詰まる。
もう2人の女子が、笑いながら話しかけてくる。
「両想いの二人を引き裂くほど、野暮じゃないですよ」
「だから応援してます!」
背中を押され、ハハ…と苦笑いしてから微笑んだ。
「ありがとう」
「セカル、モテモテだな」
2人の同級生男子が笑いながら話しかけてきた。
「モテてんのかこれ?情けない姿を哀れられてる気がする…」
恥ずかしくなり机に突っ伏した。
「さっきからスマホ見てるのは返事待ち?」
そう聞かれて、もう一度画面を点けてみる。
通知はない。
「お互いに連絡してねぇ…」
オレの言葉に、友達が噴き出した。
「しろよ!」
「そういう所なんだよなー」
ハハハ!と笑われ、もう一度机に伏した。
「ほっといてくれ…」
*****
(カイト視点)
武道場で、剣道部の送別会をしてた。
先輩達に卒業祝いの色紙と手ぬぐいを渡して、お喋りを楽しんでる…けど、何だかそわそわする。
スマホを見るけど、特に連絡は入ってない。
「どこに居るんだろ…」
思わず独り言が漏れると、「先輩のこと~?」と友達から声が掛かった。
「うーん、向こうは向こうで忙しいと思うから声掛けづらいし」
「行ってきなよ!先輩はこれで卒業なんだよ?」
「そうなんだけどさあ…」
本当に今日で最後なんだよね。
実感がない。今日が終わったら同じ学校の先輩後輩じゃなくなって…あたし達は、どういう関係になるの?
友達かなあ…?友達か…。
ぼーっとしていると、3年生の先輩から声がかかる。
「カイトちゃん、さっき正門前の広場で早水くん見たよ」
「え?」
早水くん、と名前を出されてドキッとする。
「行ってやりな」
笑顔で言われて、しどろもどろになる。
「え…でも、先輩達の会の途中ですし…」
「あんた達は今しかないでしょ!ほら、行きなさい!」
周りにやいのやいの言われて、体が熱くなる。
「もー、分かりました!行ってきます!」
「良い報告待ってるよー!」
笑われるのが恥ずかしくて、顔も上げずに走り出した。
息を切らせて走って、広場でセカルを探す。
周囲は卒業生、在校生で入り乱れてる。
「あ…」
少し背の高い、青い髪。
こんな人混みの中でも、すぐに見つかるのはどうしてだろう。
それだけずっと目で追ってきたってことかな…。
少し距離を置いて立ち止まってたら、セカルが振り向いた。目が合った。
行こう。行かないと。
勇気を出して歩き出した。
セカルの前に立った。あたしは笑った。
「卒業おめでとう」
「ありがとう」
私を見るセカルの表情は、強ばって見えた。
「やー!校内で会ってはケンカする日々も今日で終わりかー!」
わざと声の調子を上げて話しかける。
「そうだな」
対照的に、セカルの声は暗く感じた。
何だか目線が合わない。
「寂しくなるねぇ」
「ああ」
返事の歯切れが悪いので、ついついツッコミを入れる。
「さっきから嫌に淡白ですなあ。卒業の感傷にでも浸ってんの?」
「そんなとこ…」
…会話が続かない。
あたしが頑張って話してるのに。
「なんかさっきからあたしばっかり喋ってるんだけど?最後なんだからしっかりしてよね!」
「最後…?」
ようやくセカルがこちらに顔を向けた。
何だろう…焦点が合ってないように見える。
あたしのこと見てないの?
あんたを見てたのはあたしだけだったの?
「だってセカルは卒業しちゃうんだよ?明日からは、もう学校で会えなくなっ…て」
視界が滲む。
瞳から、一筋の涙が流れた。
「えっ!?」
セカルが驚く。
「わあ!何これ、何で出るの…止まってよ」
指で目頭を擦るけど、涙が頬を伝う。
やだ、止まんない。
はあ…と大きく息を吐いた。
情けない。ちょっと弱気になったくらいで涙が出るなんて。
…ちゃんと送り出さなきゃ。
大丈夫、言える。
あたしは笑顔を作ってみせる。
目には涙が溜まって、じわりとした。
けど今、言わなきゃ。
「本当に、2年間お世話になりました!毎日楽しかったです。大学に行っても頑張ってください!」
ちゃんと笑えたと思う。
涙がまたひとつ溢れた。
セカルは少し間を空けた後、口を開いた。
「2年間ありがとう。毎日ハラハラさせられた。でも毎日輝いてて楽しかった。カイトのおかげだ」
そう話すセカルは、あたしの目を見てなかった。
ああ、これでお別れなのかな…。
そう思ったら、セカルの言葉が耳に入らなくなった。
「大学に通うために、これから引っ越すことになる。こっちに戻ってくることは少なくなると思う。カイトの応援通り、大学に行っても頑張りたいけど、そのためには…」
そう言いながら、セカルがゆっくりと一歩歩み寄った。
え?何?
顔を上げたら、セカルと目が合った。
瞳にあたしの姿が映る。
キレイな金色の目だな、と思った。
「お前が傍に居てくれなきゃ困る」
一瞬。
視界が塞がった。
何が起こったのか分からない。
あったかい。
肩にグッと力が加わる。
ああ…あたし、セカルに抱き締められてるんだ…。
セカルの胸に顔を埋める。
いつも隣に立ってたセカルの匂いがする。
こんなにも近くに、セカルを感じる。
セカルは耳元で、ハッキリと言った。
「カイト、好きだ。大好きだ。離したくない。オレと付き合ってほしい」
畳み掛けるような告白。
あたしは腰から力が抜けて、セカルの腕から滑り落ちてへなへなと座り込んだ。
「オイ、大丈夫か!?」
セカルが腕を掴んで体を起こそうとしてくれたけど、
「腰抜けちゃったみたい」
アハハ、と渇いた笑いを浮かべるしかなかった。
「はー…ゴメン、突然でビックリしちゃった」
「いや…言うの遅くなって悪かった」
セカルが目を逸らして申し訳なさそうにする。
「自覚はあったんだ?」
「すみません…」
体を縮こませるセカルが面白くて笑っちゃう。
ちょっと茶化してみたくなった。
イタズラっぽく笑ってみせる。
「これからいっぱい好きって言ったら許してあげる」
「好き」
被せるように言ってきたセカルに、つい噴き出した。
「前のめりだなあ」
「だって!」
「おーい、お二人さん?ラブラブなのはいいけど、見られてんぞー?」
お互いにハッとして周りを見る。
周囲はあたし達二人と少し距離を取って、遠巻きに見ていた。
次第に拍手が起こる。
「なっ…」
セカルが絶句する。
「完全に二人の世界だもんな」
「おめでとう!だいぶ遅かったけど!」
ワイワイと言われて、二人で真っ赤になる。
嘘でしょ…いつからこんな風に見られて…?
頭がいっぱいになってる所に、突然セカルに腕を掴まれた。
群衆を掻き分けるように走り出した。
「ちょっと、どこ行くの?!」
「人の居ないところ!」
校門を出て少し走り、人通りのない通りに出た。
セカルが肩で息をする。
「大丈夫…?」
「色々と大丈夫じゃねぇ…」
ハァ…とため息をつくセカル。
「セカル、あのね」
「…なに?」
「腕、掴んだままなんだよね」
セカルがバッと顔を上げて手を離した。
あんまりにも焦った顔をしてて、思わず笑っちゃう。
「あー…周りの奴らのこと、完全に頭から抜けてた。そりゃそうだ、なんであそこであんなことを…」
セカルは赤い顔のまま、もだもだと反省を始めた。
「らしくない失態でしたなあ」
「お前が目の前に居て、気持ち伝えなきゃって頭がいっぱいになって…」
「うん。言ってくれて嬉しかった…あ!」
あたしは驚きの声をあげた。
セカルも驚いて目を丸くする。
「あたし、まだ返事してなくない?」
お互いに顔を見合わせた。
「そういえば、聞いてなかったわ」
二人できょとんとしてから、改めて向き直る。
「えっと…あたしもセカルのことが好きです。大好きです。これからもよろしくお願いします」
ニッコリ微笑んだ。
セカルと目が合う。
セカルも穏やかに笑った。
「ああ。よろしく」
「ふふふ」
二人で静かに笑い合った。
*****
制服デート出来るのが今日しかないと、ゲーセンとカラオケに寄る。
カラオケでカイトが何曲か歌い終わった後に、セカルが顔を寄せてくる。
「卒業の記念に、何かくれねーのかよ?」
じっと見つめるセカルの真剣な顔に、カイトは息を飲む。
「…いいよ、あげる」
「…何を?」
「…言わせないでよ」
カイトが目を瞑ると、セカルが口づけた。
触れるだけのキスをして、顔を離す。
お互いに目を開く。真っ直ぐ視線が合う。
「…もっかい」
セカルが呟き、再び顔を近付ける。
「えっ」
カイトは恥ずかしがって後ずさる。
「何でだよ」
「そ、そんなにグイグイ来ると思わなくて…」
「…ずっとしたかったから」
セカルの言葉に、カイトはドキリとして固まる。
セカルはカイトの肩に左腕を回して抱きしめる。
右手は顎に添えた。
唇を重ねると、堪能するように何度かチュッと音を立てて吸った。
「キス魔だ…」
「ごちそうさまでした。嫌だったか?」
セカルは満足そうに目を細めた。
「そうじゃないけど、ドキドキしすぎて心臓飛び出そう…」
カイトがはああ…と深く息を吐いた。
「じゃあ毎日して慣れてもらわないとな?」
「お手柔らかにお願いします…」
茹でダコになるカイトを見て、セカルは楽しそうに笑った。
話しながら帰路に着く。
辺りは陽が暮れかけていた。
「高校生活最後の日、やり残したことない?」
「んー、じゃあもう少しいいか?」
近くの公園に入り、ベンチに腰掛けた。
「告白したし、思い残すことはないかな」
「それはようございました」
カイトが微笑む。
「キスも出来たし」
セカルの発言に、カイトが驚く。
「ちょっと!外でそういうこと言わない!」
カイトは辺りを見渡して、近くに人がいないことを確認してほっと胸を撫で下ろした。
「もう少し注意してよね…」
「悪い、浮かれてて」
セカルが目を細めて嬉しそうにするので、カイトは何も言えなくなる。
「カイトは?浮かれてないのか?」
「それは…あたしだって嬉しいわよ。やっと好きな人と結ばれたんだもん」
好きな人、と言われて、セカルがじっとカイトを見つめる。
「手、握っていいか?」
「どうぞ」
セカルが手を重ねた。お互いに見つめ合う。
「カイト」
「なあに?」
「お前のこと、大切にするから」
セカルが優しく微笑みかける。
つられてカイトも笑顔になる。
「よろしくお願いします」
セカルが重ねた手の力を強める。
カイトは手のひらを返し、セカルの手を握り返した。

*****
(後日談。ちょっとアレな描写があります。セカル視点)
引っ越しの準備をしている最中、ふとカイトのことを思い浮かべて手が止まる。
折角想いが通じたのに、これから遠距離恋愛になる。
そうなったのは、告白を先延ばしにした自分のせいではあるけど…。
いや、それは仕方なかった。受験前に付き合って浮かれるわけにはいかなかったし、何より在学中に付き合い始めたら、周りの奴らに毎日茶化されただろうし…。
頭の中で言い訳を並べる。
付き合って初日でキスをした。
元々付き合ってるような関係だったから、そのハードルは低かったが…。
その先は?いつになったら進める?
カイトのことだから、押したらなし崩しでいける気もするが…。
いや、焦るな。
そもそもカイトはその先の行為を分かってるのか…?
ウブなカイトのことだ。何も知らない可能性もある。
じゃあどうすればいい?
うんうんと考えていたら、不意にスマホの通知が鳴った。
カイトからのメールだった。
『今何してるの?』
取り留めのない短文。
今までもこういうやり取りはしていたが、恋人になったことで意味合いが変わった気がする。
こんな何でもないメールでも、やけに嬉しくなる。
オレは返事を打った。
「引っ越しの荷造り中」
『そっかぁ忙しいよね』
泣いてる絵文字…ってことは、悲しませてる?構ってほしい?
時計を見る。14時半。
「いや、大丈夫だ。今電話出来るか?」
『大丈夫だよ』
確認してから、電話をかけた。
『もしもしー?どうしたの突然?』
いつも通りの明るい声が聞こえる。
「声が聞きたかった」
ストレートに伝えると、カイトが怯んだ。
『あ…あたしも、セカルと話せて嬉しい…です』
恋人になって分かったが、オレが押すとカイトは引く。
今もドキドキしてるんだろうな、と可愛らしく思う。
「ちょっと相談なんだけど」
『なあに?』
「これからあんまり会えなくなるだろ?」
『そうだね』
「引っ越したら、夜に電話してもいいか?毎晩とまではいかないけど、出来る限り」
『…うん』
カイトの声のトーンが下がる。
「どうした?」
『本当に遠くに行っちゃうんだなって思って…』
カイトの声が震えているのが分かった。
「今どこにいる?」
『家だよ』
「会いに行く」
『え!?』
オレは電話を切って、家を飛び出した。
「ほ、ホントに来たんだ…」
カイトはビックリした様子で迎え入れてくれた。
「悪い、我慢出来なかった。親御さんはいるのか?」
「ううん。クウトがいるけど」
オレの顔に嫌そうな気持ちが出ていたのか、カイトが噴き出した。
「分かりやす!」
「…ひとまず入っていいか?」
「どーぞ」
カイトの部屋に入るや否や、思い切りカイトを抱きしめた。
「ちょ…?!」
「静かに。クウトに聞こえる」
耳元で囁くと、カイトは大人しくなった。
腕を回すと、簡単に一周するような小さな体。
右手で頭を引き寄せて、髪を撫でる。
しばらく堪能してから、体を離した。
「ちょっと充電出来た」
「そうですか…」
赤い顔で頬を押さえるカイト。
その仕草すら可愛いと思うから、オレもだいぶ当てられてんな、と思う。
「引っ越して離れ離れになったら、こういうことも出来なくなるな」
「そうだね」
「さっき話したように、出来る限り電話したい」
「うん。電話できない時はメールするね」
「ああ。あと、月に1回くらいは会いたい」
「うん…あたしも会いに行くね」
じっと見つめ合う。
オレが肩に手を掛けると、カイトが目を瞑った。
カイトの唇に触れるだけのキスを落とす。
もう数回、角度を変えて啄む。
柔らかな接触を楽しんだ後、唇を押し付けた。
舌を少し出してカイトの唇の割れ目に当てると、カイトはビクリとしてオレの体を押し返した。
「嫌か?」
「そ、そうじゃないけど…ビックリして」
…こいつ、この先の知識があるんだろうか?
「洋画のキスシーンとか見たことある?」
そう聞いてみると、カイトはコクコクと頷いたが、声を発さない。
あ、これ誤解されたか?
「いや、そこまで激しくしたいわけじゃないけど」
慌てて訂正すると、カイトも慌てて返事をした。
「分かってる!分かってるわよ!で、でも心の準備が…」
もごもごと話すカイトを見て、今はその時じゃないと悟った。
自分の気持ちを押しつけて、カイトを不安にさせてる。
焦りすぎた。情けねぇ。
「分かった。怖がることはしないから」
カイトの左頬に右手を添えて、逆側の頬に軽いキスをした。
「これでおしまいな」
薄く微笑んでみせる。
カイトから体を離した。
「待って!」
突然カイトがぎゅっと目を瞑り、オレの唇に自分の唇を押しつけてきた。
えっ?!
驚いていると、カイトは舌を出して、オレの唇をペロリと舐めた。
「しよ…?」
間近でカイトの熱を帯びた視線を浴びて、理性がグラリと揺れた。
右手でカイトの頭をぐいと引き寄せて、唇を当てる。
舌を入れて、カイトの唇を割る。
戸惑うカイトの舌へ、自分の舌を擦り合わせる。ざらりとした感覚がする。
カイトの上顎を舌でなぞると、体がビクリと跳ねた。
「んっ」
カイトが声を漏らす。
左手をカイトの腰へと回し、体を密着させる。
貪るような行為をやめたのは、しばらく経ってからだった。
体を離した後、お互いに下を向いて沈黙する。
ようやくオレは口を開いた。
「長いことして悪かった…」
「や…やろって言ったのはあたしだし…」
お互いに真っ赤になって、顔を見られない。
「来月から、簡単に会えなくなるんだよな?こうやって触れることも出来なくなって…」
「うん…?」
カイトが少し顔を上げた。
可愛い。また抱きしめたくなる。
でもこれから、手の届かない距離に行くんだよな…?
「マジでオレ、遠距離ダメかも…」
「え!?あたしも頑張るから!」
カイトが驚いて声をかけてくる。
「耐えられる自信がねぇ…。オレ、どんだけお前のこと好きなんだよ…」
頭を抱えながらそう言うと、カイトは更に茹でダコになった。
「ホントにセカルがあたしのこと好きだって分かったから!毎晩電話するから!」
カイトがオレの手を握る。
顔を上げると、カイトと目が合った。
「お願いします…」
懇願するように言うと、
「はい…」
小さな返事が返ってきた。
お互いに、真っ赤な顔で俯いた。
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セカル高3、カイト高2で卒業式の話。両片想いカップルの区切りがつきます。
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(セカル視点)
卒業式が終わり、クラスで卒業証書を受け取った後、音楽室で吹奏楽部の送別会をしていた。
ワイワイと盛り上がる部屋の中で、スマホを手に取る。
通知を見てみるが、特に着信もメールもない。
まあ、今の時間は剣道部の連中と盛り上がってるんじゃねーかな…。
鳴らないスマホをじっと見ていると、背後から声が掛かった。
「早水先輩!」
振り向くと、後輩の女子が3人並んでいた。
何だ?と周囲にいた部員達がこちらを見る。
「わたしたちずっと、早水先輩のことが好きでした!」
そう勢いよく言われて、何がなんだか分からずたじろいだ。
「えっと…?ありがとう?」
目をパチクリして答えると、1人が噴き出した。
「先輩、全然本気にしてくれないじゃないですか!」
「この反応に泣かされた女子が何人いることか」
「早水先輩ってしっかりしてそうに見えて、そういう所ありますよねー」
「え?」
口々に言われて、周囲にいた同級生達も笑い出した。
「そりゃセカル、1人の女子しか見てないからな!」
男子の友達に笑い飛ばされた。
「分かりやすかったですよね」
「あれだけ露骨だと、告白したい女子も諦め付くよな」
「ってか、何で付き合ってないの?」
あちこちから声をかけられ、反応出来ない。
何だ?何なんだこの状況は?
「先輩には、心に決めた人がいるんですよね?」
最初に話しかけてきた女子に質問される。
視線が集まるのを感じる。
言葉が出ない、答えに詰まる。
もう2人の女子が、笑いながら話しかけてくる。
「両想いの二人を引き裂くほど、野暮じゃないですよ」
「だから応援してます!」
背中を押され、ハハ…と苦笑いしてから微笑んだ。
「ありがとう」
「セカル、モテモテだな」
2人の同級生男子が笑いながら話しかけてきた。
「モテてんのかこれ?情けない姿を哀れられてる気がする…」
恥ずかしくなり机に突っ伏した。
「さっきからスマホ見てるのは返事待ち?」
そう聞かれて、もう一度画面を点けてみる。
通知はない。
「お互いに連絡してねぇ…」
オレの言葉に、友達が噴き出した。
「しろよ!」
「そういう所なんだよなー」
ハハハ!と笑われ、もう一度机に伏した。
「ほっといてくれ…」
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(カイト視点)
武道場で、剣道部の送別会をしてた。
先輩達に卒業祝いの色紙と手ぬぐいを渡して、お喋りを楽しんでる…けど、何だかそわそわする。
スマホを見るけど、特に連絡は入ってない。
「どこに居るんだろ…」
思わず独り言が漏れると、「先輩のこと~?」と友達から声が掛かった。
「うーん、向こうは向こうで忙しいと思うから声掛けづらいし」
「行ってきなよ!先輩はこれで卒業なんだよ?」
「そうなんだけどさあ…」
本当に今日で最後なんだよね。
実感がない。今日が終わったら同じ学校の先輩後輩じゃなくなって…あたし達は、どういう関係になるの?
友達かなあ…?友達か…。
ぼーっとしていると、3年生の先輩から声がかかる。
「カイトちゃん、さっき正門前の広場で早水くん見たよ」
「え?」
早水くん、と名前を出されてドキッとする。
「行ってやりな」
笑顔で言われて、しどろもどろになる。
「え…でも、先輩達の会の途中ですし…」
「あんた達は今しかないでしょ!ほら、行きなさい!」
周りにやいのやいの言われて、体が熱くなる。
「もー、分かりました!行ってきます!」
「良い報告待ってるよー!」
笑われるのが恥ずかしくて、顔も上げずに走り出した。
息を切らせて走って、広場でセカルを探す。
周囲は卒業生、在校生で入り乱れてる。
「あ…」
少し背の高い、青い髪。
こんな人混みの中でも、すぐに見つかるのはどうしてだろう。
それだけずっと目で追ってきたってことかな…。
少し距離を置いて立ち止まってたら、セカルが振り向いた。目が合った。
行こう。行かないと。
勇気を出して歩き出した。
セカルの前に立った。あたしは笑った。
「卒業おめでとう」
「ありがとう」
私を見るセカルの表情は、強ばって見えた。
「やー!校内で会ってはケンカする日々も今日で終わりかー!」
わざと声の調子を上げて話しかける。
「そうだな」
対照的に、セカルの声は暗く感じた。
何だか目線が合わない。
「寂しくなるねぇ」
「ああ」
返事の歯切れが悪いので、ついついツッコミを入れる。
「さっきから嫌に淡白ですなあ。卒業の感傷にでも浸ってんの?」
「そんなとこ…」
…会話が続かない。
あたしが頑張って話してるのに。
「なんかさっきからあたしばっかり喋ってるんだけど?最後なんだからしっかりしてよね!」
「最後…?」
ようやくセカルがこちらに顔を向けた。
何だろう…焦点が合ってないように見える。
あたしのこと見てないの?
あんたを見てたのはあたしだけだったの?
「だってセカルは卒業しちゃうんだよ?明日からは、もう学校で会えなくなっ…て」
視界が滲む。
瞳から、一筋の涙が流れた。
「えっ!?」
セカルが驚く。
「わあ!何これ、何で出るの…止まってよ」
指で目頭を擦るけど、涙が頬を伝う。
やだ、止まんない。
はあ…と大きく息を吐いた。
情けない。ちょっと弱気になったくらいで涙が出るなんて。
…ちゃんと送り出さなきゃ。
大丈夫、言える。
あたしは笑顔を作ってみせる。
目には涙が溜まって、じわりとした。
けど今、言わなきゃ。
「本当に、2年間お世話になりました!毎日楽しかったです。大学に行っても頑張ってください!」
ちゃんと笑えたと思う。
涙がまたひとつ溢れた。
セカルは少し間を空けた後、口を開いた。
「2年間ありがとう。毎日ハラハラさせられた。でも毎日輝いてて楽しかった。カイトのおかげだ」
そう話すセカルは、あたしの目を見てなかった。
ああ、これでお別れなのかな…。
そう思ったら、セカルの言葉が耳に入らなくなった。
「大学に通うために、これから引っ越すことになる。こっちに戻ってくることは少なくなると思う。カイトの応援通り、大学に行っても頑張りたいけど、そのためには…」
そう言いながら、セカルがゆっくりと一歩歩み寄った。
え?何?
顔を上げたら、セカルと目が合った。
瞳にあたしの姿が映る。
キレイな金色の目だな、と思った。
「お前が傍に居てくれなきゃ困る」
一瞬。
視界が塞がった。
何が起こったのか分からない。
あったかい。
肩にグッと力が加わる。
ああ…あたし、セカルに抱き締められてるんだ…。
セカルの胸に顔を埋める。
いつも隣に立ってたセカルの匂いがする。
こんなにも近くに、セカルを感じる。
セカルは耳元で、ハッキリと言った。
「カイト、好きだ。大好きだ。離したくない。オレと付き合ってほしい」
畳み掛けるような告白。
あたしは腰から力が抜けて、セカルの腕から滑り落ちてへなへなと座り込んだ。
「オイ、大丈夫か!?」
セカルが腕を掴んで体を起こそうとしてくれたけど、
「腰抜けちゃったみたい」
アハハ、と渇いた笑いを浮かべるしかなかった。
「はー…ゴメン、突然でビックリしちゃった」
「いや…言うの遅くなって悪かった」
セカルが目を逸らして申し訳なさそうにする。
「自覚はあったんだ?」
「すみません…」
体を縮こませるセカルが面白くて笑っちゃう。
ちょっと茶化してみたくなった。
イタズラっぽく笑ってみせる。
「これからいっぱい好きって言ったら許してあげる」
「好き」
被せるように言ってきたセカルに、つい噴き出した。
「前のめりだなあ」
「だって!」
「おーい、お二人さん?ラブラブなのはいいけど、見られてんぞー?」
お互いにハッとして周りを見る。
周囲はあたし達二人と少し距離を取って、遠巻きに見ていた。
次第に拍手が起こる。
「なっ…」
セカルが絶句する。
「完全に二人の世界だもんな」
「おめでとう!だいぶ遅かったけど!」
ワイワイと言われて、二人で真っ赤になる。
嘘でしょ…いつからこんな風に見られて…?
頭がいっぱいになってる所に、突然セカルに腕を掴まれた。
群衆を掻き分けるように走り出した。
「ちょっと、どこ行くの?!」
「人の居ないところ!」
校門を出て少し走り、人通りのない通りに出た。
セカルが肩で息をする。
「大丈夫…?」
「色々と大丈夫じゃねぇ…」
ハァ…とため息をつくセカル。
「セカル、あのね」
「…なに?」
「腕、掴んだままなんだよね」
セカルがバッと顔を上げて手を離した。
あんまりにも焦った顔をしてて、思わず笑っちゃう。
「あー…周りの奴らのこと、完全に頭から抜けてた。そりゃそうだ、なんであそこであんなことを…」
セカルは赤い顔のまま、もだもだと反省を始めた。
「らしくない失態でしたなあ」
「お前が目の前に居て、気持ち伝えなきゃって頭がいっぱいになって…」
「うん。言ってくれて嬉しかった…あ!」
あたしは驚きの声をあげた。
セカルも驚いて目を丸くする。
「あたし、まだ返事してなくない?」
お互いに顔を見合わせた。
「そういえば、聞いてなかったわ」
二人できょとんとしてから、改めて向き直る。
「えっと…あたしもセカルのことが好きです。大好きです。これからもよろしくお願いします」
ニッコリ微笑んだ。
セカルと目が合う。
セカルも穏やかに笑った。
「ああ。よろしく」
「ふふふ」
二人で静かに笑い合った。
*****
制服デート出来るのが今日しかないと、ゲーセンとカラオケに寄る。
カラオケでカイトが何曲か歌い終わった後に、セカルが顔を寄せてくる。
「卒業の記念に、何かくれねーのかよ?」
じっと見つめるセカルの真剣な顔に、カイトは息を飲む。
「…いいよ、あげる」
「…何を?」
「…言わせないでよ」
カイトが目を瞑ると、セカルが口づけた。
触れるだけのキスをして、顔を離す。
お互いに目を開く。真っ直ぐ視線が合う。
「…もっかい」
セカルが呟き、再び顔を近付ける。
「えっ」
カイトは恥ずかしがって後ずさる。
「何でだよ」
「そ、そんなにグイグイ来ると思わなくて…」
「…ずっとしたかったから」
セカルの言葉に、カイトはドキリとして固まる。
セカルはカイトの肩に左腕を回して抱きしめる。
右手は顎に添えた。
唇を重ねると、堪能するように何度かチュッと音を立てて吸った。
「キス魔だ…」
「ごちそうさまでした。嫌だったか?」
セカルは満足そうに目を細めた。
「そうじゃないけど、ドキドキしすぎて心臓飛び出そう…」
カイトがはああ…と深く息を吐いた。
「じゃあ毎日して慣れてもらわないとな?」
「お手柔らかにお願いします…」
茹でダコになるカイトを見て、セカルは楽しそうに笑った。
話しながら帰路に着く。
辺りは陽が暮れかけていた。
「高校生活最後の日、やり残したことない?」
「んー、じゃあもう少しいいか?」
近くの公園に入り、ベンチに腰掛けた。
「告白したし、思い残すことはないかな」
「それはようございました」
カイトが微笑む。
「キスも出来たし」
セカルの発言に、カイトが驚く。
「ちょっと!外でそういうこと言わない!」
カイトは辺りを見渡して、近くに人がいないことを確認してほっと胸を撫で下ろした。
「もう少し注意してよね…」
「悪い、浮かれてて」
セカルが目を細めて嬉しそうにするので、カイトは何も言えなくなる。
「カイトは?浮かれてないのか?」
「それは…あたしだって嬉しいわよ。やっと好きな人と結ばれたんだもん」
好きな人、と言われて、セカルがじっとカイトを見つめる。
「手、握っていいか?」
「どうぞ」
セカルが手を重ねた。お互いに見つめ合う。
「カイト」
「なあに?」
「お前のこと、大切にするから」
セカルが優しく微笑みかける。
つられてカイトも笑顔になる。
「よろしくお願いします」
セカルが重ねた手の力を強める。
カイトは手のひらを返し、セカルの手を握り返した。
*****
(後日談。ちょっとアレな描写があります。セカル視点)
引っ越しの準備をしている最中、ふとカイトのことを思い浮かべて手が止まる。
折角想いが通じたのに、これから遠距離恋愛になる。
そうなったのは、告白を先延ばしにした自分のせいではあるけど…。
いや、それは仕方なかった。受験前に付き合って浮かれるわけにはいかなかったし、何より在学中に付き合い始めたら、周りの奴らに毎日茶化されただろうし…。
頭の中で言い訳を並べる。
付き合って初日でキスをした。
元々付き合ってるような関係だったから、そのハードルは低かったが…。
その先は?いつになったら進める?
カイトのことだから、押したらなし崩しでいける気もするが…。
いや、焦るな。
そもそもカイトはその先の行為を分かってるのか…?
ウブなカイトのことだ。何も知らない可能性もある。
じゃあどうすればいい?
うんうんと考えていたら、不意にスマホの通知が鳴った。
カイトからのメールだった。
『今何してるの?』
取り留めのない短文。
今までもこういうやり取りはしていたが、恋人になったことで意味合いが変わった気がする。
こんな何でもないメールでも、やけに嬉しくなる。
オレは返事を打った。
「引っ越しの荷造り中」
『そっかぁ忙しいよね』
泣いてる絵文字…ってことは、悲しませてる?構ってほしい?
時計を見る。14時半。
「いや、大丈夫だ。今電話出来るか?」
『大丈夫だよ』
確認してから、電話をかけた。
『もしもしー?どうしたの突然?』
いつも通りの明るい声が聞こえる。
「声が聞きたかった」
ストレートに伝えると、カイトが怯んだ。
『あ…あたしも、セカルと話せて嬉しい…です』
恋人になって分かったが、オレが押すとカイトは引く。
今もドキドキしてるんだろうな、と可愛らしく思う。
「ちょっと相談なんだけど」
『なあに?』
「これからあんまり会えなくなるだろ?」
『そうだね』
「引っ越したら、夜に電話してもいいか?毎晩とまではいかないけど、出来る限り」
『…うん』
カイトの声のトーンが下がる。
「どうした?」
『本当に遠くに行っちゃうんだなって思って…』
カイトの声が震えているのが分かった。
「今どこにいる?」
『家だよ』
「会いに行く」
『え!?』
オレは電話を切って、家を飛び出した。
「ほ、ホントに来たんだ…」
カイトはビックリした様子で迎え入れてくれた。
「悪い、我慢出来なかった。親御さんはいるのか?」
「ううん。クウトがいるけど」
オレの顔に嫌そうな気持ちが出ていたのか、カイトが噴き出した。
「分かりやす!」
「…ひとまず入っていいか?」
「どーぞ」
カイトの部屋に入るや否や、思い切りカイトを抱きしめた。
「ちょ…?!」
「静かに。クウトに聞こえる」
耳元で囁くと、カイトは大人しくなった。
腕を回すと、簡単に一周するような小さな体。
右手で頭を引き寄せて、髪を撫でる。
しばらく堪能してから、体を離した。
「ちょっと充電出来た」
「そうですか…」
赤い顔で頬を押さえるカイト。
その仕草すら可愛いと思うから、オレもだいぶ当てられてんな、と思う。
「引っ越して離れ離れになったら、こういうことも出来なくなるな」
「そうだね」
「さっき話したように、出来る限り電話したい」
「うん。電話できない時はメールするね」
「ああ。あと、月に1回くらいは会いたい」
「うん…あたしも会いに行くね」
じっと見つめ合う。
オレが肩に手を掛けると、カイトが目を瞑った。
カイトの唇に触れるだけのキスを落とす。
もう数回、角度を変えて啄む。
柔らかな接触を楽しんだ後、唇を押し付けた。
舌を少し出してカイトの唇の割れ目に当てると、カイトはビクリとしてオレの体を押し返した。
「嫌か?」
「そ、そうじゃないけど…ビックリして」
…こいつ、この先の知識があるんだろうか?
「洋画のキスシーンとか見たことある?」
そう聞いてみると、カイトはコクコクと頷いたが、声を発さない。
あ、これ誤解されたか?
「いや、そこまで激しくしたいわけじゃないけど」
慌てて訂正すると、カイトも慌てて返事をした。
「分かってる!分かってるわよ!で、でも心の準備が…」
もごもごと話すカイトを見て、今はその時じゃないと悟った。
自分の気持ちを押しつけて、カイトを不安にさせてる。
焦りすぎた。情けねぇ。
「分かった。怖がることはしないから」
カイトの左頬に右手を添えて、逆側の頬に軽いキスをした。
「これでおしまいな」
薄く微笑んでみせる。
カイトから体を離した。
「待って!」
突然カイトがぎゅっと目を瞑り、オレの唇に自分の唇を押しつけてきた。
えっ?!
驚いていると、カイトは舌を出して、オレの唇をペロリと舐めた。
「しよ…?」
間近でカイトの熱を帯びた視線を浴びて、理性がグラリと揺れた。
右手でカイトの頭をぐいと引き寄せて、唇を当てる。
舌を入れて、カイトの唇を割る。
戸惑うカイトの舌へ、自分の舌を擦り合わせる。ざらりとした感覚がする。
カイトの上顎を舌でなぞると、体がビクリと跳ねた。
「んっ」
カイトが声を漏らす。
左手をカイトの腰へと回し、体を密着させる。
貪るような行為をやめたのは、しばらく経ってからだった。
体を離した後、お互いに下を向いて沈黙する。
ようやくオレは口を開いた。
「長いことして悪かった…」
「や…やろって言ったのはあたしだし…」
お互いに真っ赤になって、顔を見られない。
「来月から、簡単に会えなくなるんだよな?こうやって触れることも出来なくなって…」
「うん…?」
カイトが少し顔を上げた。
可愛い。また抱きしめたくなる。
でもこれから、手の届かない距離に行くんだよな…?
「マジでオレ、遠距離ダメかも…」
「え!?あたしも頑張るから!」
カイトが驚いて声をかけてくる。
「耐えられる自信がねぇ…。オレ、どんだけお前のこと好きなんだよ…」
頭を抱えながらそう言うと、カイトは更に茹でダコになった。
「ホントにセカルがあたしのこと好きだって分かったから!毎晩電話するから!」
カイトがオレの手を握る。
顔を上げると、カイトと目が合った。
「お願いします…」
懇願するように言うと、
「はい…」
小さな返事が返ってきた。
お互いに、真っ赤な顔で俯いた。
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